上質な素材と熟練した技術で作るクチュールは、その「スローファッション性」からエコフレンドリーだという向きがある。オーダーメイドで、世代を超えても着られて長持ちするという点からだ。
1988年、フランス・パリで設立されたメゾン「Maison Martin Margiela」は、その性質をもう一歩深いところからも追求している。アンチ・モードを掲げる同メゾンは、生地に古着を活用したり新しい服の古着風加工を行い、衣服の再構築・再定義を行ってきた。ただ「アップサイクル」というのはあまりにも安直だ。同メゾンは、再構築・再定義を通じて服の意味を考え続けている。過去、何百というキャンディの包み紙をシルクに縫い付け(「H&M」とのコラボレーションでは、キャンディの包装はそのままバッグになった!)、ロッテルダム美術館に展示されたボールペンのキャップをつなぎあわせて「ニット」に仕上げた作品だってあった。
2014年SSのアーティザナルコレクションでは、ヴィンテージのお宝を活用している。パリで見つけたという1920年代のヴィンテージドレスをリヨンで見つけたヴィンテージシルクに組み合わせ、技術の美しさを再発見させてくれた美しいコレクションだ。
Maison Martin Margiela Website:http://www.maisonmartinmargiela.com/