世界中で愛されているイタリアンメゾンの一つ、「VALENTINO（ヴァレンティノ）」。「VALENTINO」が愛される理由は多々あるが、愛すべき理由がさらに増えた。2020年までに、同ブランドのサプライチェーンから有害な化学物質を排除することを約束したのである。
「VALENTINO」は、有害な化学物質の撤廃を訴える国際環境保全NGO・GREENPEACEのファッションデトックスキャンペーンを受け、自社の生産プロセスを全て公開した。2011年時のキャンペーンでは、15ものラグジュアリーブランドが、GREENPEACEの環境ガイドラインに準拠した。その他にも、ファッションを牽引する多国籍企業がデトックスを約束している。その中には、Nike, Adidas, Puma, H&M, Zara, Mango, Esprit, Levi’s, Uniqlo, Benetton, Victoria’s Secret, G-Star Rawなどがいる。
デトックス完了の認定を受けるには、次の3つを遂行する必要がある。すなわち、①大気中・水中への有害化学物質の排出ゼロ、②環境に害を与えない代替物質への転換、③生産プロセスを公開するの3つだ。
GREENPEACE ITALIAは、ハイファッションブランドのエコ度ランキング「the Fashion Duel」を発表。これは、レザーやパルプ、紙、水質汚染などに関する25項目の質問状を基に作成されたもの。「LOUIS VUITTON」や「GUCCI」など、イタリアとフランスのラグジュアリーブランドをランキングしており、「VALENTINO」はトップ評価を受けている。透明性や生産段階における環境汚染について、スウェーデン、ドイツ、イギリスのブランドがエコに対して積極的であるのに対し、イタリア、フランスのブランドは、遅れをとっている。
GREENPEACE ITALIAのキャンペーン マネージャー・Chiara Campioneによれば同団体は、「本キャンペーンはラグジュアリーブランドによる有害物質排出をゼロにすることを目指している。「VALENTINO」は、環境への配慮の観点では、業界のリーダー的存在になりつつある」という。さらに、「我々が質問状を依頼したときの、『VALENTINO』の真摯な対応に感銘を受けた」とも。「背景のストーリーが誇れるブランドのアイテムを消費者は欲しがっている」と続ける。
「VALENTINO」とそのパートナー Giancarlo Giammettiは、2008年の引退までファッション業界で45年もの年月を過ごした。その後2012年、カタール王族がヴァレンティノを買収してしまった。現在は、長期にわたってMaria Grazia ChiuriとPier Paolo Piccioliがデザインを担当している。この2人のデザイナーが、「VALENTINO」をグリーンに染めるかもしれない。
「VALENTINO」のようなラグジュアリーブランドがグリーンになれるのなら、他のブランドがなれないわけがない。
