先週9月12日、パキスタン・カラチの靴縫製工場で起こった火事。現地のニュースですが、火事の様子が分かります。289名とも言われる数の人々が亡くなりました。火事が起こった際、ドアは1つしか空いておらず、他のドアには鍵がかかっていたうえ、窓には格子がはめられていました。工場の中で働いていた人々はそのため外に出られず、取り残されてしまったのです。これは事故というよりは人災であるといえ、工場運営者は殺人も視野に取り調べを受けています。
カラチの消防の話によれば、ガスは有毒であったため、まずその煙によって死亡しただろう、とのこと。それから体が焼けてしまったとみていて、判別がつかないほどになっていると話しています。
カラチは縫製工場が約12,000ありますが、多くの工場には火災報知機や防火放水設備がありません。また非常用出口がない場合が多く、一般的な出口にも頻繁に鍵がかけられているそうです。
「適切な運営がなされていれば、これほどの被害にまでならなかったはず」とコメントするのは、Clean Clothes CampaignのIneke Zeldenrust氏。「縫製産業の労働者はこれら縫製工場が危険な環境だということを知っています。彼らは、生きるために命をかけているのです。命をかけて先進国のわれわれのための服を作っています」
縫製産業はパキスタンの輸出の約半分を占めています。国民を支える産業でこのような労働環境になっていることが非常に残念です。
参考:BBC NEWS “Death toll from Karachi factory fire soars”, NEW YORK TIMES “More Than 300 Killed in Pakistani Factory Fires”, ECOUTERRE “Garment-Factory Fire in Pakistan Kills 300 Trapped Behind Locked Doors”
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