『エシカルファッションを取り入れる』って、実際どうすればいいの? エコなものじゃなきゃだめ? オーガニックじゃなきゃだめ? ――そんな疑問を持つ方も少なくないのでは?
いえいえ、エシカルなおしゃれって実はすごく簡単、「100%エシカル」じゃなくていいんです! いつものワードローブにちょっと視点をプラスして、60%くらいの力かげんで十分。
実際にエシカルファッションをデイリーに楽しむ、オーガニック&フェアトレードのレディースブランド「INHEELS」の共同設立者・Yukaさんの1カ月のスタイルを毎日ご紹介!
Day26 たくさんの「ちょっといい」ストーリー
さて、この1カ月間こつこつと写真を撮り、それぞれのアイテムのストーリーや思いを語っていったわけですが、言いたかったことはただ一つ!
エシカルファッションは簡単だし楽しい!
とにかく少しだけでも、フェアトレードのもの、オーガニックコットンのもの、サステイナブル素材なもの、ヴィンテージ等を取り入れてみればいいだけ。何万円も使うことありません、ちょっとした小物でもいいんです。
もちろん、全身エシカルファッションであればすばらしい。でも、現実的に考えて「そんなの無理!」という人がほとんどなのでは? できたとしても、ほんの一部の人のものになってしまうのでは?
だから、なるべくたくさんの人に、少しずつエシカルファッションを取り入れていってもらって、「なんか一部のストイックな人がやってること」ではない、「私もちょっとやってみたら楽しかった」ものにしたいのです。
60%エシカルだって、10%エシカルだって、多くの人が実践すれば全体的なインパクトは大きくなります。100%エシカルな人が1人いるより、30%エシカルな人が4人いるほうが社会・環境に与える影響は大きい。と、ちょっと理屈っぽくなりましたが……。
私もヴィンテージ、手作り、フェアトレード、お下がり、普通にお店で買ったエシカルでないものを混ぜこぜにした日々のコーディネートを書いている中で、エシカル度が高い日とそうでない低い日があるのは当然、と途中から開き直っていました。服のテイストは人それぞれだけれど、この感覚が誰かの参考になることを祈っています。
それからエシカルファッションを語るときに避けて通れないのが児童労働、農薬被害やスウェットショップなどのネガティブな話。もちろん、知識として現状を知るのは大事。特に、そのネガティブな現状が私たちの物欲にある場合は。
それを知ったうえで、逆にエシカルファッションにはポジティブな話題もわんさかあります。この服は誰々にもらったもの、これの売上の一部がネパールの奨学金に、これはマーケットのヴィンテージショップで一目惚れした40年前の靴、これは農薬や遺伝子組み換えではなく、自然の畑の微生物の力で育ったオーガニックコットンのもの、などなど……。
その服がたどってきた歴史を感じたり、服ができるまでの長く複雑な過程では、たくさんの「ちょっといい」ストーリーが生まれています。薀蓄好きにはたまりません(笑)!
「INHEELS」も数日前にやっとオープン。INHEELSの準備で服を作るのがどれだけ大変か、どれだけ大勢の人が関わっていて、どれだけたくさんのストーリーが生まれているか、実感しています。
そんな、いろんなことを思いながら朝クローゼットを眺めて服を選ぶの、結構楽しいんですよ。実感するしないにかかわらず世界は本当につながっていて、毎日服を着ている自分はその一部。
まぁ、考えていてもしょうがないので、とにかく始めてみましょう! 古着屋に行ってもいいし、友達と着ない服を持ち寄って交換会をしてもいいし、「INHEELS」のオンラインショップに行っても!(ちゃっかりしっかり宣伝!笑)
1カ月間お付き合いいただき、本当にありがとうございました!
INHEELS 岡田有加
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