日本が古来より伝えてきた手遊び『折り紙』。日本人ながらに、よくもまぁ折るだけでこんなにいろんなものが作れるなと思わされることもしばしばありますよね。この手法が昨今デザイン界で注目を浴び続けていますが、エコ方面からも「折るだけで、ゴミが出ない」と、注目を浴びています。
しかし、その極めてシンプルな行為から生まれるデザインと可能性があまりにも豊か。折り紙の手法が世界のデザイン界の中でどのように活用されているのか、いま一度見ていってみましょう。
PLEAT FARM
まずは「Pleat Farm」。折る、曲げる、結ぶというシンプルな手法が建築、家具、アパレル、テキスタイル、ペーパー(紙)アート、プロダクトデザインにどんな可能性をもたらすのかを、さまざまなアーティストの作品を紹介することで検証するオンラインプラットフォーム。ここには折り紙手法が開拓するデザインアイディアが集まっています。
ここに出展する学生・Christophe Guberanさんの作品は、「折る」という行為をデザインするプリンター。「折る」行為そのものがクールだと思わせてくれます。
彼が作ったのは「Hydro-Fold inkjet printer」という『水で折るためのインクジェットプリンター』なるもの。立体作品を平面の紙にプリントしてくれます。
といっても、まさかプリンターの薄っぺらい出力口から立体アイテムが登場するわけではなく、プリントされた用紙に水の『折り線』がプリントされるのです。それに沿って折っていくと、思いも寄らない美しい立体物ができ上がります。
コンピューターが計算し、さまざまなフォームを折れるようにプリントしてくれます。
ISSEY MIYAKE
1980年代からずっと「折っ」ているのが、言わずと知れた三宅一生氏。彼の最新の作品は服でもなく、まして布でもない。彼が発表したのは、ペットボトルをリサイクルして作ったLEDライトのシリーズ。平面になっているものを開いて、電気をポン。
イタリアの照明ブランド「Artemide」とのコラボ商品です。使わない時は本当にコンパクトに収めておける。まさに、「生活に生きるデザイン」を追求してきた三宅氏ならでは。
Elisa Strozyk
ドイツ人デザイナー・Elisa Strozykさんが発表したのは「木製ふとん」。木材の表面に特殊な加工をして、規則的に折り曲がるようになっています。
この「木製ふとん」は、『アコーディオンコレクション』という木材をアコーディオンのように折って照明器具や棚を作るプロジェクトの一環として製作されました。
デザイナーであるElisaさんは、このように述べています。
木製のテキスタイルは固いと柔らかいの中間くらいよ。大体ベッドリネンと聞けば、やわらかいものを想定するけど、モノには「だいたいこれを使うだろう」という定式の素材があるわ。そこに挑戦してみたの。木製ふとんは、馴染みのある臭いがするし、よく目にする見た目をしている。でも、とても奇妙な感覚を覚えると思うわ。だって、ふとんにしてはとても不思議な動きをするから。
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