コスメの裏側に隠された現実――証明ラベルはどこまで信じられる?

2012. 3. 3

コスメは、女性が輝くための必須アイテム。しかしその裏で、多くの動物の命が犠牲になっているとしたら――?

現在もコスメ業界で日常的に続けられているのが「コスメの動物実験」。これに対しては、ラベル表示などの義務も無く、数え切れないほどの企業が製品テストで多くの動物を犠牲にしています(動物実験を行っている企業リストも公開されているのですが、ここにあるものはほんの一部に過ぎないそう)。動物実験の必要性に関しては専門家の間でも意見が分かれており、なかなか難しい問題のようです。

例えば、現在EUでは、刺激の強い成分に対する動物実験を禁止しており、そのような製品の輸入も規制しています。しかし一方で、アメリカの「The Safe Cosmetics Act」という安全な化粧品類のための法律を考える会の2011年度会議では、一部の動物実験が推奨される意見も出されました。

近年では、“動物実験なし”のラベル化も動きが進んでいます。ポール・マッカートニーやブリジット・バルドーなども支援している世界最大の動物権利擁護団体「動物の倫理的扱いを求める会(PETA)」(左上図)や、コスメにおける消費者情報連合(下図)のラベルが、商品に貼られ始めています。

安全性や透明性など、何かしらを証明するラベルは溢れるほどありますが、先日、オーガニックを謳うカルフォルニアの26ブランドが虚偽の表記をしていた事実も発覚しました。ラベルを使用するに当たり明確な基準がないなら、企業は自分たちにとって都合の良いキャッチコピーとしてラベルを濫用することもできてしまいます。消費者も、商品価値の判断基準をラベルだけに頼らず、総合的に評価する目も必要ですね。

そもそも、動物実験をせねばならないような化学物質が入っている化粧品を使用することは、私たちの身体にとって良いことなのでしょうか? 初めから自然素材を使えば、動物を犠牲にすることなく、私たちの体にも安全で優しいコスメができるはずです。自分が当たり前のように使っているものには、多くの命が関わっている。すなわち、彼らの問題は私たち自身の問題としてつながっているということ。そう考えると、一つ一つの買い物の大事さが身にしみます。

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