1995年に誕生した純オーガニックコットン100%の専門ブランド「Made in Earth(メイド・イン・アース)」。
自由が丘のショップに集まる全国からのお客さま。その多くが買い求めるのが、合計35種類もある純オーガニックコットン製の「布ナプキン」。
1999年に発売して以来、18年間リニューアルを繰り返してきた「Made in Earth」の布ナプキンは、口コミで広がり大人気。聞けば、単に「トラブルが軽減した」という声だけでなく、「ライフスタイルが変わった」という声まであるそうです。
今年オープン10周年を迎えた自由が丘のショップで、創業者の一人である前田けいこさんに、18年の変遷について、そして布ナプキンの「見えない効果」について伺いました。
布ナプキンを始めるいろんなきっかけ
―― 18年前といまで、お客さんの傾向などに変化はありましたか?
18年前も、オーガニック野菜やナチュラル食材が好きな人や、肌のデリケートな人が多かったです。当時も、オーガニックの野菜はちょっと高かったので、経済的に余裕が出てくる30〜40代の方が多かったですね。
オーガニック食材はいまも、年齢層が高い方が中心ですが、布ナプキンに関しては若い方が増えました。
先日、大阪の婦人科の先生と話して、若い患者さんが増えていると聞きましたが、若くして婦人科系の悩みを抱える方が増えていますよね。そうした方が布ナプキンに変えて、良い変化があったという声が後を経ちません。
―― たとえば、どんなお声があるのですか?
近年、冷えに悩む方も増えましたが、「布ナプキンに変えてから、体がポカポカして調子が良くなった」という声は、本当に多いです。
「生理痛がなくなった」とおっしゃる方もすごく多いのは、私たちもびっくりしました。1回で痛みがなくなったという方もいれば、使ううちにだんだん痛みが減ってきたという方もいます。
あと、「使ううちに量が落ち着いてきた」という方や、「ダラダラ出続けるということがなくなって、出るタイミングでトイレ行くようになった」という方もいます。
お客さまの声を聞いていると、肌から情報が伝わって、無意識のうちにストレスが減っているのかもしれないと思うようになりました。
―― オーガニックコットンにそうした効果があることは、科学的には証明されているのですか?
いいえ、なかなか科学的には証明できないようです。でも、弊社の女性スタッフも、入社を希望する理由に、「自分が布ナプキンで生理痛が治った。それを広めたい」と言ってくれることがダントツ。
昔からそうしたお声が続いていますが、その研究はまだまだこれから。私たちもお医者さまといっしょにリサーチするプランを立てているところです。
親子のコミュニケーションのきっかけに
―― ライフスタイルが変わっているのですから、選択肢も時代に合わせて変わっていくのは、自然な流れかもしれませんね。
最近は、「娘に買いたい」というお母さんが増えています。ご自分も布ナプキンを使っていて、そろそろ娘の生理が始まるから選べるようにしたいって。
私の娘も、「そろそろかな?」というときに、一般的なナプキンと布ナプキンの両方を渡しておきました。
布ナプキンは嫌がってたので、「使わないだろうな」って思っていたら、ある日、使用済みのものが洗面所に転がっていて……(笑)。それで、生理がきたのがすぐ分かったのは良かったです。
最初から選択肢としてあれば、抵抗なく使えるようです。
―― 月経も不慣れだと、親に相談するのも恥ずかしいという子も、きっと少なくないですよね。初めてはびっくりしますし。
実際に自分が親子で使ってみて分かったのですが、親子関係に良い作用があると思いました。
わざわざ娘に月経について教えることはなかったんですが、布ナプキンを洗っている姿はわざと見せていたんです。
娘の月経が始まって、布ナプキンを使うようになってから、「お腹の調子悪い?」「最近つけ置きの入れもの出てないけどどうなってるの?」って、生活の中で自然と聞けるんです。
何カ月か、つけ置きの入れものが出てなかったことがあったので聞いてみたら、どうやら部活の練習が激しいときに生理が止まるようなんです。
月経は自然なことですが、なかなか家族でも月経について踏み込んだ話はしませんよね。生活の中で自然と教えられたり、話せる環境が作れたりするのは、すごく良いと思いました。
男の子も、「お母さんには血が出るときがある」って、小さい頃から見ていたら、意識が変わるのではないかと思います。
―― 月経で自分の体の状態が分かることもありますし、お子さんが小さい頃に、お母さんがそれを見守っていられるのって、安心ですよね。
捨てちゃうと絶対分かりません。つけ置きだからチェックできる。
経血の色や出方で、自分の体の状態をチェックできます。状態がいつも違うときに、食生活やストレスなど、生活を振り返る機会になったりします。お客さまには、「月に一度の反省会」って、月経を楽しみにされている方もいますよ。
―― 親子のコミュニケーションや、自分との付き合い方などにも関わったりと、布ナプキンには奥深い世界がありますね。
布ナプキンにして人生観が変わったという方も多いです。病気やトラブルがきっかけで布ナプキンに変えた方が、だんだん食べものもオーガニックにこだわるようになり、最終的には仕事もまで変えたということも少なくないですよ。生き方を変えるきっかけにもなっているようです。
―― 今後作りたいものはありますか?
尿漏れに対応できるものを、本格的に作りたいですね。妊娠中や、ご高齢の方が、布ナプキンを尿漏れ用に使ってくださるケースが増えているんです。なので、ショーツ型のものを作りたいなと。経血量がとにかく多い方からは「パットだけじゃ厳しい」という声もあるので、それにも対応できます。
―― デリケートな部分は必ず布に触れているもの。なのにこれまで、「これしかない」と思っていたのが、商品も使い方も選択肢があるのが布ナプキンのおもしろさですね。
1回の生理が5日として計算したら、女性は一生のうち約40年間生理があるので、約6年半生理用品を使っていることになるんです。
生理期間中、一日1時間だけでも布ナプキンに変えると、約100日分化学素材フリーになれます。全部でなくても、ちょっと置き換えるだけで、人生のトータルの時間数から考えると意味があることなのではないかと思いました。
だから、家にいる間だけでもOK。お風呂あがりとかもすごく気持ち良いので、ぜひ自分なりに取り入れてみていただけるとうれしいです。
コメントを投稿するにはログインしてください。