普段目にする、周りにあるモノたち。
使い方は知っているのに、中身がどうなっているのか、そしてどんなしくみで動いているのかは分からない。
開けて中を覗いてみたら、不思議な世界が広がっていて、おもしろい発見があるかもしれない。
解体(Kaitai)を通してモノの裏側に隠れている秘密を発見(Discover)。モノに対する常識やイメージを一新させ、私たちの世界観をほんのちょっとだけ、広げてみたいと思っています。
まずは、いろいろ不思議な部品が張り付いている、緑色の板から外していきましょう。なにやら、いっぱいくっついています……。
でも、適当についているように見えて、それぞれの部品にはちゃんと役割があるんです。
まず、やたら目立つ黒い空き缶みたいな形の部品。これは、「コンデンサ」。電気を貯めるもので、スイッチが入ると、一気に電気を流してくれます。
さっき火花を散らしたのは、この部品に電気がチャージされていたから。危ないので、ニッパーでチョキンと切ってしまいましょう。
次は二番目に目立つ、オレンジ色の筒形をした部品を見てみましょう。
ピカピカした細い金属の線がグルグル巻きつけてあります。
これは、「トランス」という部品。「変圧器」とも呼ばれ、電圧を調整したりするときに使われます。
フラッシュを発光させるには、家庭のコンセント電源の約3倍もの大きな電気が必要。でも使い捨てカメラの電源になるものは、乾電池1本だけです。
そこで、使い捨てカメラの中には、電池の電圧を大きく変える装置が付いています。グルグルと巻きつけられた銅線の先端は2つに分かれており、その一方から大きな電圧が取り出されます。
こんな小さな部品で、乾電池1本からフラッシュの強い光を出せるほどの電気を生み出しているのですね。
まだまだ気になる部品があります。
この、ちっちゃいかわいい部品。枝のついた豆に、カラフルな線がいくつも入っています。
これは、「抵抗」という部品。
なにに抵抗するの? って感じですが、これは電気の流れを抑えるための重要な部品。あまりに大きな電気が入ってしまうと部品が壊れてしまう……というときに、その部品の前に置いて用いられるものです。
電気を妨げる強さ、これは「抵抗値」というもので表されますが、これは何種類も用意されていて、抵抗の表面に付いているカラーコード(色の帯)の組み合わせで、どれくらいの強さを持っているものなのかが分かるようになっています。カラフルな色は、ただの飾りではなかったようです。
さて、実は驚きなのが、ここまで分解してしまっても写真が撮れるということ!
さっき外した緑色の板は、フラッシュを発光させるためのものなので、それがなくても、ちゃーんとカメラの役割を果たすのです。
さっそく、写真撮影開始!
フィルムを巻くネジを、カチカチ、キリキリ……と最後まで回してから、パシャリ。
と、いきたいのですが……シャッターボタンがありません。
シャッターボタンはどこかというと、最初に外してしまった外装カバーに付いています。
ここで、ちょっとよく見てみましょう。
シャッターボタンを押すと、小さいツノのようなものが横に移動します。ボタンの下には、なにもないことが分かります。
ということは、どうやってシャッターを切っているのでしょうか?
またカメラに目を移します。
さっき横に動いたツノが当たる部分は、カメラの、白いプラスチックでできたツメと対応しています。試しにここを押してみます。
カシャ!
音が鳴りました!
もう一度ツメを押してみると、なにも起こりません。
でも、シャッターを巻くネジをキリキリと最後まで回して、もう一度ツメを押すと……カシャ!
白いツメの正体は、シャッターを切るスイッチだったようです。これで、ケースを外しても写真を撮ることができると分かりました。
しかし、カシャッと鳴る音は、どこから出ているものなのでしょう……?
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