長く愛すべきものだけを――職人技の逸品だけを集めたオンライン・セレクトショップ「Zady」が、9月末に大きなプロジェクトを発表した。
「The New Standard」と名付けられたそのプロジェクトでは、海や水、森林、環境の変化、人々に与える影響を含め、アパレル産業における労働・環境の問題を調べて発表。
見てみると、かわいらしい図表の数々が「かわいくない」ファッションの現実を伝えている。たとえばナイロンの生産では、CO2よりはるかに有害なN20が成層圏のオゾン層を破壊している……などだ。
「かわいくない」現実をドロップ・インするだけでなく、初の秋冬コレクション「The Essentials Collection」もリリース。ボタンダウンシャツ、アルパカセーター&カーディガン、オーバーサイズのセーターなどのクラシックなコレクションになっており、その1着ずつ、農家から縫製までどうやって作られているのかを説明している。
かわいくて、賢い革命者のZady共同創業者・Maxine Bédatに、最近活発的な「Zady」のことを聞いてきた。
―― デザイナーは?
Monica Nicoletti(モニカ・ニコレッティ)というすばらしい女性よ。彼女と巡りあえて本当にラッキーだったわ! デザイナーを決めるというのは、本当に大事なこと。私たちは、ハイエンドファッションの経験が豊富で、最近の女性の「鎧のようにガチガチに自分を守る服ではなくて、リラックスして過ごせる服が欲しい」というニーズを分かっている人を探していたの。あと、私はイタリアンテイストが大好き。イタリアの女性って、本当の女性がどうあるものかっていうのを分かっている感じがするもの。
モニカは、イタリア人で「Alberta Ferretti」や「Club Monaco」で働いていたの。ピッタリ! ぜひ! って感じだったわ。
―― 「The Essentials Collection」で他に作りたいアイテムは?
まだパンツがないから、パンツを作りたいわ!
―― 「競合」とするブランドは?
仕事にもオフにも使える服を提供しているブランドは全部、ってところかしら。新しい「ふつう」を作っていくために立ち上げたのよ。エコ・コンシャスな人たちだけをターゲットにしているわけじゃないわ!
―― 多くの人は、サステナビリティを言うとき、ファストファッションが悪だと言う。でも、「H&M」はトライしているように見えるし……ってこともあるわね。あなたはファストファッションについてどう思う?
私は、彼らが挑戦する意気込みや姿勢はすごく正しいと思うし、良い方向に向かっていると感じてる。問題は消費のスピードなんだと思う。現代人はとても忙しいし、それに「悪の象徴」にするものが欲しいんだと思うわ。
きっと、いまがいちばん曖昧な時期で、これからが変わり目なんだと思うの。人はもっと確かな価値のものが欲しいと思っている。だけど、毎日とんでもなく悲しいニュースが世界から飛び込んでくる。何が正しいのか、どうしていけばいいのか、見つけにくい時代よ。
でも一度その道をつかめたら、これまでになく人は強くなれるんじゃないかしら。まだまだ不確かな時代だけど、それを笑い飛ばすようにしているの。たとえば「Zady」では「Shitty Fact Tuesday(クソったれニュースの火曜日)」を設けているの。インスタグラムで、ファッションのクソったれ! な情報をUPする日。そうやってユーモアを交えていれば、真正面から向き合うパワーも湧いてくるというものだわ。
―― あなたが「Zady」の取り扱うブランドの服を全身着ているのは一目瞭然ね! 他に好きなブランドは?
スキーに行くときは「Patagonia」。スタイリッシュだし、低・環境負荷の服を作るっていうミッションを掲げているから。どのようにチャレンジしているのか、正直に過程をオープンにしているところも好きだわ。それがアパレル産業に必要なことなのよ。
あと、「Eileen Fisher」も好き。真にグリーンであろうとしているわ。自分たちがいかにエコであるかどうかも含めて、間違った情報を伝えないこと。簡単なことではないけど、重要なことよ。
―― コスメで好きなブランドは?
「Herbivore Botanicals」が好きよ。パッケージもとてもキレイだし! 最近のブランドで「Earth Tu Face」もお気に入り。創業者は看護師とナチュラル・グッズの仕事をしていた二人組なの。とってもいい感じ! パッケージもかわいいし!
―― パッケージが大事?
そうね、だって、エコだけどかわいくないセーターを作っているようなものだと思うわ。ユーザー体験の全てがかわいくないと!
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