みなさんは、同性にドキッとしたり、ときめいた経験はありますか?
2015年6月26日、アメリカ全州で、「同性婚」が合法化され、世界で21カ国目の合法化となりました。この日、facebookで多くの方がアイコンを虹色に変えていたのは記憶に新しいのでは?
LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの人々を意味する頭字語*wikipedia)はまだまだマイノリティーだ、と思う方がみなさんの中にもいるかもしれませんが、LGBTの人口は、成人男女の全体の7.2%といわれており、実はあなたの周りにいる左効きの人の割合と同じくらい存在するのです。
でも私自身、そのリアルなところは全く知りませんでした。今回は、女性×女性のカップルの恋の裏側をのぞいてみました!
――付き合い始めてから現在まで約4年。どんなふうにお付き合いをされてきたのですか?
実紅:実は、「なんで付き合ったんだろう……」と思うことの繰り返しでした。というのも、色は極度のワークホリック。常にパソコンを開いて、常に携帯を見て、休みの日もずっと仕事をしていて、自分がないがしろにされている気がしていましたね。
たとえば「19時に家に行くね!」と連絡があっても、22時になっても23時になっても来ず、24時にやっと来たと思ったらまた家でパソコンで仕事する、という具合……。この状況が続いて私も苦しくて、何度も別れようと思いました。色が自罰的に働いているように見えて辛いし、「自分は邪魔でしかないのでは……」と思っていたんです。だから自分が甘えたいときも、色に甘えることができませんでしたね。
色:自分のことを自分で認められなくて、誰かに認められるために仕事していたんです。運命の彼女ができたものの、自分を追いつめるというスタンスは変えられなかったんです。仕事も大事、彼女も大事。なのに自分が至らなくて、「彼女か仕事か」という二択になっていました。なので実紅にはいつも辛い思いをさせていましたね。
実紅:そんな中、ふらっとカウンセリングに行ったことがあるんです。そこで先生が「依存しあうのではなく、自立した恋愛をしなさい」とおっしゃって、ふっきれましたね。「なんだ、私、色がいなくても生きていけるじゃん!」って。それから色にもそのカウンセラーを勧めてみたんです。
色:一度1週間ほど距離を置いて、連絡も取らず、本当に実紅のことが好きなのか、自分にとって何が一番大切なのか考えたことがありました。そしたら「この先実紅とずっと一緒にいたい!」と思って。それで、自分を変えようと心に決めて、実紅に勧められたカウンセリングに通いはじめました。カウンセリングの先生は、「恋人や家族など、まわりを大事にしてこそ幸せがある」と私に説いてくれました。そこから少しずつ生活を変えていくうちに、自分にも余裕ができて、彼女も自分も大事にできるようになりましたね。
――誰かのために自分を変えるって本当に難しいので、色さんの変化に大きな愛を感じます。その後、お二人の間での変化はありましたか?
色:お弁当を作るようになりました! というのも、自分の価値観が変わるにつれて「仕事ですごく認められなくても、日々の生活の中にある小さな幸せを認めてもいいんだな」と、思うようになったんです。たとえば「バリバリ仕事して出世する」のでなくても、「料理を作って食べて、おいしいと思う」。そんな「幸せ」を感じて良いんだな、とか。
実紅:私は、色に対してよく怒っていたのですが、いつも好きな人に対して怒ってしまい、エネルギーを使う自分が嫌だったんです。ある日、本屋で「怒らない練習(アルボムッレ・スマナサーラ、サンガ、2013年)」という本をなにげなく手に取ったんです。そこには、怒りをコントロールする方法を分かりやすく書いてあって、私には「目から鱗」でした。本の内容を実践していううちに、本当に怒らなくなったんです。
それ以来、人の心に興味を持つようになって、心についての本をたくさん読み、色といつも議論していました。その流れで二人とも通っていたカウンセリングについて興味を持ち、講座で本格的に学びました。カウンセリングには「病気の人のためのもの」というイメージが広くありますが、本当は全ての人が活用するメリットのあるものだという確信しています。そこで、どんなに「ふつう」の人でも気軽に受けられる「人の刷り込みを外して自由にするコミュニケーション事業(リベレーティング)」を色と一緒に立ち上げています。
色:二人でその事業をやろう! と思ったのは、とても自然な流れでした。私たちには共通の趣味などはないけれど、付き合ってからいままで本音で議論して思いをぶつけあってきて、「ほかのカップルより交わした言葉の数は多い!」って自負はありますね! だから自然とアイディアがまとまりました。いままさに起業準備中ですが、二人で支え合っていきたいですね。
(インタビューここまで)
同性どうしの恋愛事情を全く知らなかった私。「どんな人なんだろうな」と思っていたら、すごく自然体な二人でした。お二人とも、自然に生きる中で自然な流れで一緒にいるのだろうな、と感じました。
うまく行かないことを乗り越えながら絆を強めてきた二人の恋路も、話を聞きながら、たくさんの人がきっと「その気持ち、分かる!」と思わず頷いてしまうであろうものばかり。私も、いつも恋愛と仕事のバランスをうまく取れずにいます(笑)。
男女、女性どうし、男性どうし……性別など関係なく、恋愛についての悩み・戸惑い・それを乗り越えた信頼は、変わらないのだとあらためて分かりました。二人の今後の事業も、楽しみでなりません!
コメントを投稿するにはログインしてください。